卒業 / 斉藤由貴

制服の胸のボタンを 下級生たちにねだられ
頭をかきながら 逃げるのね
本当はうれしいくせして

人気ない 午後の教室で
机にイニシャルほるあなた
やめて思い出を刻むのは
心だけにしてとつぶやいた

離れても 電話するよと
小指差し出していうけど
守れそうにない 約束は
しないほうがいい ごめんね

セーラーの 薄いスカーフで
止まった時間を結びたい
だけど 東京で変わってく
あなたの未来は縛れない

ああ卒業式で泣かないと
冷たい人と言われそう
でももっと悲しい瞬間に
涙はとっておきたいの

席順がかわり あなたの
隣の子にさえ やいたわ
いたずらに 髪を引っ張られ
怒ってる裏で はしゃいだ

駅までの遠い道のりを
初めて黙って歩いたね
反対のホームに立つ二人
時の電車が今引き裂いた

ああ卒業しても友達で
それは嘘ではないけれど
でもすぎる 季節に流され
会えないことも知っている

ああ卒業式で泣かないと
冷たい人と言われそう
でももっと悲しい瞬間に
涙は取っておきたいの

設定

  • 卒業式の直後 / その後など
  • 付き合っている彼氏に対して色々思い出しながら、電車で別れが来る
  • 卒業式で泣かないけど、別れの時には泣く?みたいな?

思ったこと

  • なんか木綿のハンカチーフとつながっているのだろうか?
    • スカーフで東京に行くあなたのあたりがなんかそれっぽいなと
  • あきらめが全体に漂っている感じがすごい